「あのね、伊織。雨が降った後の夜空は、綺麗に星が出るんだって。
それを想像するとさ、雨でも良いって思わない?」
「………確かに。」
「それに、いつか晴れるから。」
いつか、いっぱい重なった雲の隙間から、光が見えてきて、綺麗に輝くの。
絶対に雨が降り続けることはない。
きっと、雨が止んだ後は、綺麗に光輝いて、遠くで虹が見えて。
そうゆうのを考えるとやっぱり雨は嫌いじゃない。
キーンコーンカーンコーン
「なっちゃった。席戻るね。」
「また後で。」
…気づかなかった。まさかこの光景を大和が見てるなんて。
思いもよらなかった、これから起こることがどれだけ辛いことになるかなんて。