こんな風に思いたくない。
自分が惨めだとか、
可哀想とか、
そんな風に思いたくない。
私は悲劇のヒロインなんなりたくなしいし
全部、自分のせいだから。
それに全部嫉妬だ。
優衣亜ちゃんにただ嫉妬してるだけ……
ーーだから
「桜、どうした?」
そんな優しく「桜」なんて呼ばないで…
「大和、桜ちゃんのこといじめた?」
「なっ!?いじめてねぇよ!」
「桜、ごめん…大丈夫?…って、なわけないか。
ちょっとお手洗い行こうか?」
「うん。」
「夕凪、都末、少しそこで待ってて。」
伊織は二人にそう言うと、私の手を引いていく。
……こんなはずじゃなかったのに。
もっと楽しい思い出にするはずだったのに…


