◆
「修学旅行のお土産期待してるからな!」
「そんなこと言われても、大したもの買ってこないよ。」
「兄ちゃんにだけ特別に!!」
「いや。」
季節は巡りにめぐり、2か月なんてあっという間。
…の、割には何にも変わってないけど。
それでもついに修学旅行の日になった。
朝早いはずなのに、なぜかお兄ちゃんは起きていて…
別のことに使いなよ、って思う。
「気を付けて行って来いよ。」
「分かってる!行ってきます!!」
「いってらっしゃい。」
玄関で手を振りながら私を送るお兄ちゃん。
私はそれに笑顔で返す。
ーーどうかこの5日間の出来事が楽しい思い出になりますように…


