君に届かないI・LOVE・YOU







「修学旅行のお土産期待してるからな!」




「そんなこと言われても、大したもの買ってこないよ。」




「兄ちゃんにだけ特別に!!」




「いや。」





季節は巡りにめぐり、2か月なんてあっという間。


…の、割には何にも変わってないけど。








それでもついに修学旅行の日になった。




朝早いはずなのに、なぜかお兄ちゃんは起きていて…


別のことに使いなよ、って思う。





「気を付けて行って来いよ。」





「分かってる!行ってきます!!」




「いってらっしゃい。」





玄関で手を振りながら私を送るお兄ちゃん。

私はそれに笑顔で返す。






ーーどうかこの5日間の出来事が楽しい思い出になりますように…