君に届かないI・LOVE・YOU






「桜先輩!忘れ物です。」




「花咲君…。ありがとう。」




「いえ、昼休み中に渡せてよかったです。

それじゃあまた。」




「うん、ばいばい。」






どうやら屋上にハンカチを忘れたらしい。



花咲君に返してもらったハンカチを見て

なんとなく花咲君の笑顔を思い出す。





あの笑顔にどれくらい救われたか。




けど、よりにもよってこのハンカチ。





「…………思いだしたくもない。」






懐かしさに埋もれて、ずっとしまってた記憶。








呟いてから、大和の座ってる席の隣に座る。






……また、ただ隣を見るだけの関係に戻った。