君に届かないI・LOVE・YOU






わかってる。

……けど、今は大和がいない。



私たちは花咲君一人の舞台を見てるみたいで。



その舞台に出てくるのは、やっぱり花咲君一人。

他の人は?って聞きたくなる。



「桜、今日はもう終わりでしょ?」



「うん。帰ろっか。」




会場をでて伊織と歩く。




「バスケの試合しっかり見たのなんて、久しぶりだった。」



「そうなの?じゃあ夕凪君のバスケも?」



「もちろん。夕凪なんて、むしろ自分のプレー見せたがらない人よ?」



「そうなんだ…」




意外かも。

てっきり伊織はずっと夕凪君のプレーを見てるんだと思ってたけど、そうでもないんだね。