かわいい王子VS鈍感な姫


「聞こえてたよ!よかったね!!ななちゃんも良平くんも集中して頑張って♪
郁はスコアとりながら応援してるからね…!」


郁が近くで応援してくれる…


郁がマネージャーになってくれてよかった…!


「郁…さんきゅ!」


「ありがと!郁ちゃん!」



俺は2回戦が始まるまでずっとある物を握り締めていた。


そのある物とは…お守り。


中学での最初の大会の時に緊張しないようにと、裁縫の苦手な郁が手作りのお守りをくれた。


至る所から糸くずが出ていて、他の人から見たら確実に何これ?って言われるようなお守り。


俺はこのお守りを見てると郁の頑張ってる姿が浮かんできて、俺も頑張ろうって思う。


俺にとっては緊張をほぐしてくれる、元気をくれる、大切なお守りなんだ。


「七海!もうすぐ試合始まるぞ!」


「おう!」


俺はお守りと一緒にベンチに向かった。