かわいい王子VS鈍感な姫

少し足をひきずりつつも、雫は走りきり良平にバトンを託した。


良平が走りだす。



良平…


雫は絶対落ち込んでるぞ…


お前の走りでそんなの吹き飛ばしてやれ!!


俺はそう心の中で言いながら、雫のもとに走った。


「雫!大丈夫か!?」


パッと雫のひざを見ると、血が出ていた。


「保健室に行こ!」


「…待って!」


しゃがんでいた俺が立ち上がろうとした時、雫が俺の動きを止めた。


「七海くん、これくらい平気!それより、良平くんが…」


雫は心配そうな顔をしている。


俺は良平を見て思った。


…やっぱりな。


さすが良平だよ…!


俺は良平を見たまま雫に言った。


「良平なら大丈夫だよ!ほら、見て?」


雫は良平を探した。


「え…!?」


驚きを隠せないようだ。


雫だけじゃない。


リレーを見ている人、全てが驚きを隠せない。