かわいい王子VS鈍感な姫

俺は8人の中でも後ろの方。


みんな速い…!


スタートした場所と反対側にもうすぐさしかかる。


「頑張れー!」

「行けー!」


声援が四方八方から聞こえる中で、この言葉がはっきりと聞こえた。


「七海!加速だ…!」


その瞬間、俺は頭で理解するよりも先に体が反応した。


どんどんスピードをあげていく。


半分をこえ、少しずつスピードが落ちてきた人を1人…また1人と抜かす。


さっきまで前に6人くらいいたのに、今は前に1人だけ。


あと約10mでバトンパス…


抜かしたいけど…バトンパスに集中だ。


「…はい!」


俺は東森さんにバトンを渡した。



「…はぁ…はぁ…」


トラックの中に入り座りながら東森さんを見た。


東森さんは1人抜かし、1位になっている。


いける…!


「七海、ナイスファイト!加速すげぇよ!」


隼人が声をかけてきた。


「ありがとな!隼人、後頼んだぞ!」


「あぁ!任せとけ!」


隼人は力強く答えた。