かわいい王子VS鈍感な姫

だけど、まだ俺には気付いてない。


郁…気付け…!


そう思った瞬間、郁は俺に気付き俺に笑顔で手を振った。


もうすぐ綱引きが始まる時だったので、俺は笑顔だけ返し前を向いた。


…かわいい…!


泣いた理由を聞いて、いっそう郁がかわいく見えた。


そういえば…


さっき泣いたのは、俺が応援しないって言ったからだよな?


郁は俺のせいじゃないって言ってるけど…。


なんで俺の言葉で郁は泣くんだ…?


『郁はまだ気付いてないだけなの。』


おばさんが言ったことが頭に浮かぶ。


もしかして…本当に気付いてないだけで、実は俺のことを…?


…まさか。


うん。ないない。


俺、調子のったな。


郁にとって俺は幼なじみだし。


調子にのってしまった俺は無性に謝りたくなった。


郁…

…ごめん…。