「吾妻先輩!!」


「なんだーー?」


邪魔しちゃ悪いけど吾妻先輩を呼ぶ。


「ピン貸してください!!」


「ピン?」


「はい!!そのしてるやつでいいので!!」


「はいはい。よいしょ、はい。」


吾妻先輩は泣いている雅くんを見て少し笑いながらつけていたピンをとり、消毒を準備していた私のかわりに雅くんの髪をとめてくれた。


「ぐすん……吾妻先輩…ありがとう…ぐすん…ございます」


「おうっ。次は気を付けろよ。」


吾妻先輩は練習に戻った。