「…ほら、可愛いでしょう? 」 正面の彼が言葉を失くす。 振り返らなくてもわかる。 きっと牧さんは 愛おしげに私を見て 凄艶な笑みを彼に向けている。 ーー そんな風にされたら、私… 「さ、楽しんでおいで。」 送り出された後 開いていく距離が、寂しかった。 ◆ その夜は、目の端で揺れる花弁と共に いつまでも 牧さんの温もりが消えなかった。 ーー 微熱は、続く。