「いらっしゃいませ。 栞ちゃん… 浴衣?」


受付で、牧さんの目が大きく見開かれる。


…そんなに、見つめないで。



「今日は、セットだけお願いします」

「…宵まつり、行くんだね」

「はい」



牧さん

私、大学生になったんだよ。
彼も、出来たの。
今夜、花火を見に行くの。


いつもみたいに、魔法をかけて。