◆ 「いらっしゃいませ。 栞ちゃん… 浴衣?」 受付で、牧さんの目が大きく見開かれる。 …そんなに、見つめないで。 「今日は、セットだけお願いします」 「…宵まつり、行くんだね」 「はい」 牧さん 私、大学生になったんだよ。 彼も、出来たの。 今夜、花火を見に行くの。 いつもみたいに、魔法をかけて。