もー。
相変わらず喧嘩っ早いんだから。
あたし 戸田[トダ] 葵。
北波[キタナミ]中1年。
ちなみに さっきの男の子は
あたしの家の隣に住んでいる
神山[カミヤマ] 涼太。
生まれたときからお隣さんなの。
「ちょっと葵ーっ。
いい加減涼太くん止めてよー」
「あたしたちじゃ止められないのーっ」
クラスメイトの女の子の声に振り向く
そこにはまだ喧嘩をしている姿があった。
口喧嘩だからいいものの
涼太は何かと長い。
「ふぅ」と溜息をついて
彼のもとへ歩く。
「りょーたっ、もうすぐ委員会始まるから」
「えっ? あ...うん」
不服そうにも口を閉じた。
去り際に西野くんを睨んだことはお見通しだけど。
