八神くんが帰ると、今度は賑やかな涼太がやってきた。
「あおいーっ!」
「わっ、涼太?!」
ベッドに座っていると、
涼太がたくさんの紙袋を抱えてやってきた。
「葵が行きたがってた水族館、行けなかったから気分だけでもと思って」
そういうと満足そうに、紙袋からお土産を取り出した。
おまんじゅうや、クッキー、ぬいぐるみまである。
「結構お金使ったんじゃないの?」
「いーや? そんなに」
笑顔が作り笑いだから、結構お金使ったみたいね。
でもそんなことを言わないのが涼太だもん。
「そういや、今日隣のクラスの男子に声かけられたんだよね」
「隣の?」
不思議そうな口調で語る。
「葵のこと聞いてきてさ...。
知り合い?」
「あー...たぶん委員会の子だよ」
あまり話すと頬が紅潮してきそうだったから、
お菓子を食べて話題をそらした。
