袋の中から出てきたのは


シルバーのイルカのストラップ。


この『A』って...。

葵(Aoi)の...。


イニシャルストラップだった。




...だめだ...



口元に手をあてて、
うつむく。



「...もしかして、気に入らなかった?」



あたしが何も返事をしないから、
八神くんは不安そうに声をかけた。







ううん......




「...嬉しい...」


こらえきれなかった笑顔が

こぼれた。