「あのさ」


「っえ?」


あたしが食卓のお菓子へと手を伸ばしかけたとき
八神くんは口火を切った。


びっくり。

あたしだけがお菓子を食べようとしたのを、注意するのかと思った。



すると彼はソファから立ち上がり、
あたしの前に立った。


もう部屋着ということは、恥ずかしくなくなった。



「これ」


すっ、と差し出されたのは
淡い水色の縦に長い袋。


どういうことなのかわからなくて
彼を見上げた。



「...お詫び」



「お詫び?」


彼の言葉の意味がわからなくて
訊き返した。