「葵[アオイ]ー。
俺、中1にしてぎっくり腰デビューするとこだったよ?」
「えへへー。まあ、気にしない気にしない♪」
困った顔をしたものの、
背中に飛びついてきたあたしを支えている。
「なに、涼太の彼女?」
初対面な男の子があたしを不思議そうに見つめる。
「え、そんな風に見え――――」
「違うよっ。
あたしは涼太の幼なじみです」
涼太が口を開いて何か話す前に
あたしが先に説明する。
にこっと微笑むと
彼は言葉を詰まらせた。
「?」と不思議に思って見つめると
彼は慌てて目をそらした。
「あーっ、西野[ニシノ]っ!
葵に見惚れてんじゃねぇよっ!」
「は?! んなわけねぇだろ!」
なぜだか急に言い争いが始まった。