ガチャンと玄関のドアが閉まる音。 「おかえりー」 リビングから涼太の声がする。 涼太の家は隣だから、よく涼太が遊びに来る。 今日もまた。 「...顔、赤くね?」 口にくわえていたポテトチップスを噛み砕いて、 涼太は不思議そうにあたしを見る。 「そ、う?」 雨で濡れた前髪を右に寄せる。 「ん。そうそう」と彼はうなづいた。 「ほら、たお――――」 タオルを差し出す涼太の前を横切る。 「っおいっ?!」