しかし あまりにも焦っていたせいか 「あっ」 手から画鋲が入ったケースが滑り落ちる。 パシッ... 「危ない。気を付けて」 いいタイミングで八神くんがそれを受け止めた。 「あり、がとう...」 ぎこちないお礼を彼に伝えた。 初対面で緊張しているから? もう5月になりかけて暖かいから? どうしよ... さっきから顔は熱いし、鼓動が早いよ...?! 彼から離れるためにも あたしは2階への階段を駆け上がった。