Last flower【執筆中】

「シッ」
突然スイムが、立っていたカスカの腕を引き、座らせた。

「誰か来る」「え?」小声のやりとり。

微かな靴音を立てながら小さな影がひとつ、

ドロドロ川の方ー建物の裏側へ小走りに消えた。

「誰だろう?」

「…まさか、また誰か自殺……?」

言い様もない不安に囚われた二人は、人影をゆっくりと追った。

ドロドロ川のすぐ横の壁に沿うように立ち止まり、息を殺した。

「わりぃ。遅くなった」

「ううん、大丈夫」

「!!」

カスカとスイムは目を合わせた。この声は…

「なんか知んねーけど、スイムが部屋にいなかった」

「え?…どこ行ったんだろう…トイレとかかな?」

「さーな」

ユルカと、カイ。

カスカは、すとんとその場に座り込んだ。

両足の力が入らないほど、胸がドキドキした。

スイムもそれにつられるように、しゃがみ込んだ。

「ユルカ、こっち」

聞いたこともない、カイの優しく柔らかい声。

鉄球で頭をガーン、と打たれたような衝撃がカスカを襲った。

スイムはカスカの手をそっと握った。