食堂に着くと、もう大半の子供達が椅子に座っていた。

やかましく騒いでいる。

カイはカスカ達と背中合わせのいつもの椅子に座って、

これまたいつものように編み物をしていた。

「カイ、編み物また始めたんだね。何作ってるの?」

ユルカが気軽に声をかけると

「ポンチョ。お前、いる?季節外れだけど」

カイもユルカに気軽に答えた。

「いいの?」

「俺は編むだけで出来上がっても必要ねーから」

隣りでその会話を聞いていたカスカは驚いた。

二人の空気があまりにもまろやかで、親しげなことに。

昨日、一晩同じ部屋で眠ったことによって、

二人の間の何かが変わったのだと直感した。

と、こちらを振り向いたカイの隣りのスイムと目が合った。

「おはよう」

「…おはよう」

スイムは何も言わなかったけれど、カスカの気持ちをたぶん知ってる。

困ったような顔をして笑った。

『いくら双子だからって、同じヤツ好きになることないじゃんか』

なぜだかスイムにそう言われた気がした。