「あ、カスカ」
嬉しそうな声で、パッと明るくユルカは笑った。
チャルと一緒に、ユルカとカイが一晩閉じ込められた部屋へ行く
廊下の途中でばったり会ったのだ。
「迎えに来てくれたの?ありがとう」
「…どうだった?大丈夫だった?」
「うん。ご飯もちゃんと食べたし。…でも、シャワー浴びたいな」
同時に笑った二人とチャルの脇をスッと通り抜けて、
カイは歩いていってしまった。カスカはそれを目で追った。
「あいつと、キスくらいはした?」
チャルがからかうとユルカは、思いのほか真顔で「ううん」と答えた。
「でも、優しかったよ」。
角を曲がって見えなくなった後ろ姿からユルカに目を戻したカスカは
その胸にかかっているネックレスに初めて気づいた。
「ユルカ、それどうしたの?」
「あ、可愛いじゃん。カイが作ったやつじゃないの、それ」
先にチャルが言った。ユルカはこくりと頷いた。
「昨日、アンコとチャル探してる時に偶然会って…
バザーの出し物だったんだけどくれたの」
「…………」
カスカは、胸がざわついた。
偶然とはいえカイから、こんな素敵なものをもらったユルカを
妬ましく思った。
私達は…
私とユルカは一対のはずだった。
それなのに、この施設に入ってから、どんどん私達は遠ざかっている。
カスカはそう思った。悲しいような、腹が立つような、息苦しいような、
いいようもない焦りを感じた。
どことなく、最近のユルカの身体は女らしい丸みを帯びてきた気がする。
今なら誰もがユルカとカスカを見た目で判断できるかも知れない。
途方もない寂しさが、カスカの胸を猛スピードで駆け抜けた。
生まれて初めてユルカに嫉妬した。
そんな自分自身に対しても、苛立ちを覚えた。
「どうしたの?カスカ」
「ん、別に。それより朝ご飯、食べに行こう」
カスカはユルカの目を見ずにそう言って歩き出した。
チャルは言っていた通り、一人部屋に戻って行った。
嬉しそうな声で、パッと明るくユルカは笑った。
チャルと一緒に、ユルカとカイが一晩閉じ込められた部屋へ行く
廊下の途中でばったり会ったのだ。
「迎えに来てくれたの?ありがとう」
「…どうだった?大丈夫だった?」
「うん。ご飯もちゃんと食べたし。…でも、シャワー浴びたいな」
同時に笑った二人とチャルの脇をスッと通り抜けて、
カイは歩いていってしまった。カスカはそれを目で追った。
「あいつと、キスくらいはした?」
チャルがからかうとユルカは、思いのほか真顔で「ううん」と答えた。
「でも、優しかったよ」。
角を曲がって見えなくなった後ろ姿からユルカに目を戻したカスカは
その胸にかかっているネックレスに初めて気づいた。
「ユルカ、それどうしたの?」
「あ、可愛いじゃん。カイが作ったやつじゃないの、それ」
先にチャルが言った。ユルカはこくりと頷いた。
「昨日、アンコとチャル探してる時に偶然会って…
バザーの出し物だったんだけどくれたの」
「…………」
カスカは、胸がざわついた。
偶然とはいえカイから、こんな素敵なものをもらったユルカを
妬ましく思った。
私達は…
私とユルカは一対のはずだった。
それなのに、この施設に入ってから、どんどん私達は遠ざかっている。
カスカはそう思った。悲しいような、腹が立つような、息苦しいような、
いいようもない焦りを感じた。
どことなく、最近のユルカの身体は女らしい丸みを帯びてきた気がする。
今なら誰もがユルカとカスカを見た目で判断できるかも知れない。
途方もない寂しさが、カスカの胸を猛スピードで駆け抜けた。
生まれて初めてユルカに嫉妬した。
そんな自分自身に対しても、苛立ちを覚えた。
「どうしたの?カスカ」
「ん、別に。それより朝ご飯、食べに行こう」
カスカはユルカの目を見ずにそう言って歩き出した。
チャルは言っていた通り、一人部屋に戻って行った。



