たべちゃいたいほど、恋してる。②





そして鮮明に脳裏に浮かぶある女の姿。




(…百合みてぇ)




まるで自分の姉に引きずられているような感覚に、思わず龍之介の口元が引きつる。

こめかみには青筋まで浮かぶ始末。


もちろん井上はそんなこと微塵も気にしていない。


店内から出れば無言で向き合う二人。

二人の間に流れているどす黒いオーラに、広い通路を行き交う通行人が来た道を戻っていく。

目的の店にも入らずに。


店からすれば大迷惑なことこの上ない。




「あんた!早くあの子と別れなさいよ!」




そんな通行人や困り顔の店員の様子などこれっぽっちも気にすることなく、井上はつんざくような声で叫んだ。


耳に残るそれに更に深くなる龍之介の眉間のしわ。