夏祭りにたまたま露天で買った安物だが、優衣にとっては数少ない龍之介との揃いのもの。
気付かずに無くしていたら、ショックのあまり寝込んでいただろう。
(よかったぁ…)
本当にありがとうございます、と何度も頭を下げる優衣。
そんな優衣に彼は焦ったように首と両手を振った。
「いやいや!っていうか…遊佐さんと高野だよな?桐花国際の…」
「…もしかして…新藤?」
おれおれ!と自分の顔を指差しながら二人の名前を呼んで笑う彼に、夏希は訝しげにぐっと眉を寄せる。
そして暫くジーッとその顔を凝視した後、小さく名前を呟いた。
どうやら夏希の知っている人だったらしい。


