たべちゃいたいほど、恋してる。②





人気があるのも十分頷ける。


けれど、優衣にとって龍之介が作るお菓子や料理は特別なのだ。


美しく繊細で、とても優しい龍之介のケーキ。

それはまるで魔法のかかったお菓子のよう。


この夏中、父親のレストランでアルバイトしていた龍之介は更にその腕を上げた。


もともと料理全般何でも器用にこなすことの出来る龍之介だったが、この夏一番力を注いでいたのがデザート力の向上である。


その理由は、遡ること夏休みにはいる数日前。


たまたま龍之介が家で作っていたチーズスフレのケーキを優衣が食べる機会があった。


それを一口口にした瞬間、優衣がこれまでになく破顔したのだ。


そして零れた『美味しい』の一言。


たったそれだけ。

たったそれだけの言葉と笑顔が龍之介を動かした。