これを目当てに多くの女性客が連日店を賑わせているらしい。
もちろん優衣たちも同じ口である。
夏休みに入る前、クラスの女子の間で話題になっていたこの店にようやく来れたというわけだ。
四十代半ば辺りであろうその店員はにこりと優衣たちに笑みを向ける。
そして噂のケーキが二人の前にそっと置かれた。
優衣の前には綺麗にデコレーションされたチョコレートケーキ。
夏希の前には艶々と輝いたチーズケーキがその姿を現す。
「…わぁ…!美味しそう!」
それを見た瞬間、優衣の瞳の奥が光輝いた。
嬉しそうに目を細めにこにこと微笑む優衣。
夏希も微かに口元に笑みを浮かべている。
そこに先程までの気難しい顔をした二人はいない。


