たべちゃいたいほど、恋してる。②





何故そのことを知っているのだと夏希は目を見開いた。


それは誰も知らないはずの事実。

夏希も健も誰にも言っていないはずのこと。


信じられないと言いたげな夏希に対し、優衣はツーンという効果音がつきそうな表情で顔を背ける。

反抗期か!と夏希が頭を抱えたくなったのは言うまでもない。




「べ、別に梨本とは付き合ってるわけじゃ、ない、し…」


「へー」


「…そもそもデートじゃないし」


「ふーん」


「…ちょっと、映画館に行っただけで…」


「…」


「…あーもー!うーちゃん!」


「しーらーなーい」




いつもとは逆の勢力図で繰り広げられる攻防戦。

この姿を学校内で見ることはまず出来ないだろう。

そもそも夏希が優衣に言い負かされることなどない。