何故そのことを知っているのだと夏希は目を見開いた。
それは誰も知らないはずの事実。
夏希も健も誰にも言っていないはずのこと。
信じられないと言いたげな夏希に対し、優衣はツーンという効果音がつきそうな表情で顔を背ける。
反抗期か!と夏希が頭を抱えたくなったのは言うまでもない。
「べ、別に梨本とは付き合ってるわけじゃ、ない、し…」
「へー」
「…そもそもデートじゃないし」
「ふーん」
「…ちょっと、映画館に行っただけで…」
「…」
「…あーもー!うーちゃん!」
「しーらーなーい」
いつもとは逆の勢力図で繰り広げられる攻防戦。
この姿を学校内で見ることはまず出来ないだろう。
そもそも夏希が優衣に言い負かされることなどない。


