「6月20日。交通事故で、お前は死んだ」 「......」 カケルちゃんの声が鍵となり、忘れていた記憶が戻った。 「......」 そうだ、あのときは雨が降っていて カケルちゃんの買い物に付き合って 小さな折りたたみ傘の中で 信号はチカチカで 黒い車が走ってきて 千切れそうなくらい伸ばした右手が カケルちゃんの背中を押して 大きな音ともに 身体がはじきとばされて