車の音や、他の学生たちの声を雨の音が消して、 この小さな傘の中。 あたしとカケルちゃんだけの世界みたいだ。 「あ、真央。急げっ」 「え!?」 カケルちゃんが突然走り出した。 向かう先は、大きな交差点。 信号が点滅しているにもかかわらず、カケルちゃんはお構いなしに走っていく。 車が少ないから、大丈夫かもだけど......