新しい道


すると、時雨クンが教室に入ってきて、席に座った。

私たちは気にしてないようなふりをした。

(本当は気になったけど)


「おはよう、和泉さん。相原さん。」

「おはよう、石川くん。よろしくねー。」

「よろしくっ!席は斜めやけ、あんま関係ないけどね。」


クラスの女子は私らを見てる。

時雨くんは他の人に話しかけられても無視してたのに、私たちとは話してるから。

視線が痛い。


「あぁ、そうだ。和泉さん。僕のこと、”梓”って呼んで。」

「え!?いいの?じゃあ、私も呼び捨てで。」


と、2人で微笑みあった。

その光景をにらんでいる子がいた。

それは、朝比奈 柚香だった。