ストロベリー

「あ~これ。大したことねぇよ。ちょっと仕事でな。包帯なんて大げさなんだよ」
「ならいいけど。ケガだけには気をつけてよ」
「そうだぞ」
「分かてるって」
「さぁ食べましょう」

私は、ケガのことが気になり食事の味など良く分からなかった。

「ごちそうさまでした。片付け私も手伝います。」
「ありがとう。でも大丈夫よ。これ、悠介に持てってくれる」

私は、果物を悠介に持っていった。

「悠介入るよ。ハイこれ」
「サンキュー」
「ねぇ」
「なんだ」

自分の今の気持ちを話そうとした。
でも、悠介といると胸が張り裂けそうなくらい苦しい。
悠介の前では、泣いたことなど一度もないのに涙が流れ落ちてくる。