そこはアンティーク風のお洒落なお店。

外から中の様子を覗いてみると
『誕生日ライターを大切な人に☆』
と書かれたポスターが目に入った。


ライター...と聞いて最初に思い浮かんだのは先生だった。

煙草を吸う度に登場していたライターはそういえば古そうだった気がする。


クリスマスプレゼントを用意する事に気が引けたが、とりあえず店の中に入ることにした。



カランカランー
と洒落た音を奏でる扉は
店の雰囲気にとても合っていた。


色々とキーホルダーや髪飾りを見ながら、ライターの売り場へと向かった。


誕生日ライターと言うものは、どうやら誕生日花の柄と日付が刻んであるようだ。

無意識にある日付を探してしまう。
七瀬ちゃんが会話の中で教えてくれた先生の誕生日を覚えていたのだ。


誰かが私を批判した訳じゃなかったけれど少しでもさりげなく見えるように探した。

ただ、探した。
売り切れていることを願いながら、一段ずつ丁寧に探している自分に呆れながら。