「どーしよっかな〜」
苺飴を手で転がす。
「ホンマにアカンって!!
大学の頃からああ見えて恐いねんから!」
「同じ大学だったんですか?!」
「うん。」
と答えて大学名を教えてくれた。
....驚いた。
先生が通っていた大学が
私が志望している大学だったから。
「せ、先生!
関西の方の大学じゃないんですか?!」
驚く私に
「高校までは大阪に住んでたけど
大学からはこっちやで?」
「なるほど...」
と考える私。
「てか、そんなに驚かんでも」
と先生が言い終わるか分からないうちに
「そりゃ、驚くわよぉ」
と、自習室の扉に寄り掛かった悠ちゃんがいた。
「ゆ、悠希!!」
顔色がどんどん悪くなる先生。
「だって葵ちゃんの志望大学よ?」
「ね?」と私を見る悠ちゃんに
「あ。はい。」と肯定する。
そういえば入塾する時に
志望大学を書かされていた。
「んで、何がアカンくて
何が恐いの??保坂先生??」
いつもと同じ笑顔で保坂先生を
受付の方で引っ張って行った。
その様子を
保坂先生にとっては地獄の番人並に恐い存在なんだろう...
と思いながら帰る準備をした。

