「mallow」


先生がポツリと呟いた。

「まろー?」

「そう。mallow」

「何それ??」

「誕生日花。」

袋の上に小さく英語が書かれていた。


「そうなんだ!花の名前が書いてあったんだね。 何の花?」

「ん?mallowやで?」

「そうじゃなくて、日本語は?」

「何やろなぁ〜」

優しく微笑む先生。


「嘘!絶対知ってるでしょ!?」

「知らん知らん。」

知らないフリを続ける。

「もう!」
と怒ろうとしたら手を引っ張られて
先生の胸の中に閉じ込められた。

トクンー

また心臓が締め付けられた。


「アオちゃんもなかなか粋な事するな〜」

何のことだろう?
首を傾げた。


また優しく微笑む先生。

「何もないよ。
お風呂、入っていいよ?」

「良いの?」

「うん。」

「んじゃ、お言葉に甘えて借ります...」


色々と誤魔化された気はしたが、お風呂に入りたかった私は先生の気遣いに甘えることにした。