北野君は、しばらく考えてから 「垣田さん…は…、高橋のことが、……好きなんじゃないの?」 窓の外から聞こえる運動部の声が、一瞬、遠くなった。 そのあとに、心臓がドクンと大きく跳ねて、全身がカーッと熱くなった。 でも私はまた、平気なふりをして、 「なんで…?」 と聞いた。 北野君は、何となく、辛そうな顔をした。 私は今、どんな顔をしているんだろう。予想もつかない。