「痛いっっ!!!!!」 振っていた手が、男子に当たった。 「あっ・・・ごめんっ・・!」 私は満の手を離して、その男子の顔を覗き込んだ。 「大丈夫?」 すると、切れ長の目と、薄くて紅い唇が、パッと目に飛び込んできた。 「別に平気。」 男子はそう言って私をじっと見つめた。 切れ長の鋭い眼に見つめられて、私は少しギクッとした。 不意に男子は私を見下すような目をした。 「だけど。」 「え……?」 「普通分かるんじゃないの?こんなとこで手なんか振ってたら、人に当たるってことくらい。」