落書きをされた、門を潜って理事長室に行った。


「失礼します。今日から転入して来た杉崎凜菜ですけど…。」
私は、自己紹介をしながら理事長室に入った。


すると、いきなり誰かから抱きつかれた。



「凜菜ー♪元気だったかい。」
っえ、この声は…。



「昂兄…?」



「うん。そうだよ(笑)」
うそッ!あの昂兄!
昂兄と言うのは、私と9歳も離れた私のお兄ちゃん、杉崎昂(すきざきこう)の事。昂兄は、高校を卒業して大学に通うため一人暮らしをしていた。忙しかったため、昂兄が高校を卒業してから一度も会った事が無かった。