「そうか……」 蓮は満足そうに笑い、隙間を埋めるように抱き寄せてきた。 「ゆみりんが本当に猫に見えてきたよ」 「最初の頃よりは随分と気を許してくれるようになったしね」 そうだなぁ………でも、完全に気を許してはいない。 秘密で固めた壁に身を隠しているから、いつになっても私は弱虫なんだ。 自己嫌悪に陥る自分が嫌になり、蓮の胸に顔を埋める。 そんな私に蓮は何も言わず、ただ撫で続けてくれた。