蓮に近づくといつも通り抱き寄せられたが、膝枕は要求されず子供にするように頭を撫でられた。



「……?」



蓮の行動の真意が分からず、首を傾げる。



「俺らがいる……そんな顔をするな」



そんな私に蓮は諭すように耳元で囁いた。



「そんな顔?」



「ああ…寂しい、悲しいと語ってる顔だ」



……本当に感情が抑えられなくなってきたんだな。



「……そんな顔してないもん」



喜ばしいことなのだろうが、感情を読み取られるなんて事はほとんどなかったから、どうしても戸惑ってしまう。