「朔まで……」



「蓮の家にいてくれた方がほぼ一緒にいられるでしょ?その方が由美ちゃんの安全を確保できるんだよ」



そう言う朔はどことなく嬉しそうな表情をしている。



つまり家に帰るとその間、蓮達が守れないからって事か…。



「そういう事だ…諦めろ」



不機嫌だった蓮は朔を味方につけて余裕なのか、ニヤリと意地悪な笑みを浮かべる。



「……はぁ、分かった」



一人の家は寂しいから、正直嬉しい。



荷物にはなりたくないと思いながらも、こうやって皆に縋り付いてしまう自分自身に嫌悪感を抱く。



だけど、どうしても夜は闇に飲まれそうになる…。



「由美、こっちに来い」



心の中でそんな葛藤を繰り広げていると、蓮に手招きをされた。



また膝枕かな?