「はい。もちろんそのつもりです。……終わった後は連れまわすつもりですが」



ズクンっと疼く胸の痛みには気がつかないフリをして、無邪気な作り笑顔を見せる。



「……ならいいが、耐え切れなくなったら遠慮なく言ってくれ。我慢して欲しいとは言ったが、しすぎも良くない」



ちょっと納得のいかない顔をした司さんに作り笑顔がばれたかと思ったが、後半にふっと緩めた表情を見てバレていないと胸を撫で下ろす。



「はい、肝に銘じておきます」



返事を返すと再び新聞に目を向け始めたので、もう1度微笑み自室へと戻る。



自室に戻る間の廊下を歩くスピードは部屋に近づくにつれて段々と速くなっていく。