「それ…どうしたの?」
きっと今の私は情けない顔になっているだろう。自分で分かるほど声が震えている。
「心配すんな、かすり傷だ」
安心しろと頭をポンポンッと撫でてくれるが、サーッと血の気が引く感覚に襲われる。
………蓮が被害に合った。
これはもう、銀狼が崩れていくのも時間の問題。
トップの蓮が怪我を負った………それだけで下の者は不安に陥る。
……早く何か手を打たないと、あの悪夢がまたやってくる。
私と同年代の子が厳しい訓練の中、次々と倒れていく。
有能な後継者作りのためだけに集められ、そして全員いなくなった。
今でも時折夢で見る最悪な悪夢…。
もうあんなところは見たくない。
悪夢を思い出し、カタカタと震える身体を押さえ込む。
私が…動揺してる場合じゃない。


