「ねぇ、ゆみりんも夏休みが戻ってきたら嬉しいよね?」



急に陽が話を振ってきて驚いたけど……もう1度…か。



「うーん……休みは嬉しいけど、あの激しい夏休みをもう一度は嫌だな」



私の返答にがっくりと項垂れた陽。



「陽、諦めろ……休みは戻ってこねえよ」



そんな陽に皆呆れている。



私は怪我で気を失ってから、まともに動くことが出来なかったから学校が始まったのは結構嬉しい。



そんなことを考えていると、朔が何かを思い出したように視線を上げて話し出す。



「あ、そうだ…由美ちゃんって自分の家に戻る?」



そう、あれから随分と怪我が良くなったにも関わらず、私はまだ蓮の家でお世話になっているのだ…。



「うん、戻るよ。怪我も良くなったからね」



少し寂しいな…と思いながらも、朔に向けてそう言うと、



「帰らなくていい」



膝枕をされた状態の蓮が、不満そうに答えた。