「僕達は先に行こうか」 歩き出した朔に続こうとすると、蓮が手を差し出してきた。 「転ばないようにしっかり掴まっとけ」 「ありがと」 気を利かせてくれた蓮の手を握り返し歩き出した。 しばらくは順調に先へと進めていたが、先に進めば進むほど人が多くなり進みにくくなってきた。 唯でさえ動きにくい着物なのに、これ以上動きにくくなったら堪ったもんじゃない。 「朔、何でこんなに人がいる」 「分からないんだよ、この時間帯は一番空いてるはずなのに……」 蓮と朔はあまりの人の多さに苛立っている。