温かい……。



蓮の温もりを得ようと擦り寄る。



「……陽も由美の事を思って言ったんだ。許してやれよ」



苦笑いをしながら、身体を包み込むように抱きしめている腕に力が込められた。



「………うん、分かった」



陽の言う通り、ここ最近はずっと部屋にいた。



今考え直してみるとありがたかった。



しばらく思い出話をしたり、身体を温めあっていたが、



「そろそろ帰るか?」



時間を確認した蓮は私の頭を撫でながら訊ねてくる。



「うん、流石に凍え死んじゃう」



私の半分冗談に笑い立ち上がると、手を繋ぎなおして来た道を戻り始めた。