「………嫌か?」



すぐに返事を返さなかった私を見て、不安を宿した瞳を向けてくる。



「ううん、嫌じゃないよ……むしろ嬉しい」



私は小さなときから愛を受けずに生きてきた。



だから愛に飢えているらしい。



前に、恭輔が教えてくれた。



だから、誰かと一緒の部屋…それも蓮となんて嫌なはずがない。



「そうか……なら部屋に行くぞ」



そう言って歩き出した蓮の手をキュッと掴んでついて行く。



その行動に一瞬驚いた蓮だったが、すぐに嬉しそうに笑って握り返してくれた。



たったそれだけの事で舞い上がる心。



蓮に誘導されるまま、部屋へと向かった。