ラルフ王は、あたし達を救うために出てきてくれたんだ。

「そんな……

 それでは、私が今までしてきた事は、全てあの方を苦しめる、私の思い違いだったというのか……?

 だとしたら私は、

 私のしてきた事は……

 私は取り返しのつかない事をしてしまった。

 私は、この手で愛する、そして私を愛してくれたあの方を、殺してしまった」

そういって泣き崩れるエルフィノは、絶望という波に押し流され、今にもどこかへ流されていってしまうかと思えるほど打ちひしがれ、悲しみがエルフィノを支配していた。

「ねえ、エルフィノ。

 あなたは、結果的には間違ってしまったけれど、ラルフ王を想う気持ちは本物だったんでしょう?

 その想いを大切に、これから頑張れるわ!

 愛って、どれだけ相手の事を想えるか。

 そしてその中で、どれだけ相手の為に頑張れるか?

 自分を犠牲にしてでも相手を思いやれる。

 そんな心の動きの事を言うんだと思うわ。

 だからあなたは、ちょっとやり方を間違ってしまっただけなのよ。
 
 これから、昔のあなたに戻ればいいのよ」