「エルフィノ。

 私のせいで、辛い思いをさせてしまってすまなかった。

 でも、信じてください。

 私は、あなたを裏切るつもりはなかった。

 結果的にはああなってしまったけれど、本来なら私は、あなたを妃に迎えたかった。

 フェリシアを妃に迎え、フェリシアを愛すようにした私の心に偽りはありません。

 けれど、あなたを愛していた気持ちも本当なのです。

 あの時私は、フェリシアによってあなたの記憶を消されたのです。

 ですが、フェリシアを責めないでやってください。

 全ては、フェリシアの気持ちに気付かなかった私のせいなのですから。

 エルフィノ。

 どうか信じて下さい。

 そして、私を許して下さい。

 お願いします……」

そう言ったラルフ王の瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。

そうしてラルフ王は、もう一度あたし達を見て、ルイス王子と眼を合わせ、かすかにほほ笑み、最後にエルフィノを見つめ、ふうっと笑うと、ペンダントの光とともに消えて行った。