「早く逃げろ!」

振り返ってそう言った王子の一瞬の隙をついて、後ろから王子を切りつけ、倒れた所に剣を振り上げ、とどめを刺そうとしているエルフィノに、あたしは思いっきり体当たりし、それを阻止した。

すると当然、矛先はこっちに向く訳で。

「王子の方を先にしようと思ったが、やはりお前から殺してやる!」

ひ、ひえ~っ。

やっぱし来たっ!

エルフィノは、あたしに剣を振り下ろし、反撃する間もない程早いスピードで、絶え間なく攻撃してくる。

あたしは、やっとのことでかわしながら、後ずさりで逃げた。

けど、とにかく足場が悪かった。

祭壇と周りとをつなぐ橋の所まで来た時、足を踏み外して、下に落ちそうになっちゃった。

丁度、手が橋のへりにつかまれたからいいようなものの、もし落ちてたら、あたし一瞬で焼け死んじゃうわ。

焼っ、焼け死ななくても、この状況じゃあ、切り殺されちゃうっ!