エルフィノは、憎むことでしか、自分を支えることが出来なかったんだわ。

そう考えると、あたしはエルフィノに何も言えないような気がした……。


そして、無言のままエルフィノの後について行くと、やがて、大きな祭壇のある部屋に来ていた。

そこは、大きな円形の部屋で、真ん中に大きな祭壇がある。

祭壇の中心には、人が1人入れる位の檻があり、祭壇を囲むように、赤く煮え立つものが取り囲んでいて、炎を噴き上げている。
それは、そこに落とされたりしたらひとたまりもないという恐怖を感じさせ、その上に架かっている橋が、今にも落ちてしまいそうなほど弱っていて、炎の勢いを痛感させる。

そこは、明らかに生け贄を捧げる場所であって、そして、あたしが殺される場所であるのだ。

そして、この部屋に漂う空気は重く、ここで何人もの人達の命を奪った事を、あたしに知らせてくれた。

部屋の中に一歩足を踏み入れると、エルフィノは、あたしの腕を掴んで、その祭壇へと向かった。